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阿輸迦樹(アシュカジュ)asoka

豆科に属す。(Jonesia Asoka,roxb.又はSaraca Indica,L.) 漢字音にて阿叔迦・阿戌迦・阿舒迦等に作り、無憂樹と訳す。
印度ヒマラヤ山地方(山麓より二千尺の高所に及ぶ)セーロン、 マレー半島等に分布す。 
樹幹直立、長大ならず。葉は槐に 似て羽状複葉長さ三寸及至六七寸、葷性にして剛直なり。
花は總状に密集して開き、大きさ二三寸、赤色の花瓣はよく人 目をひく。
果実は楕円形の朔をなし、長さ七八寸、中に大な る種子七八個を畜ふ。
佛、嵐毘尼園に於いて此樹下にて降生 し給ふといふ。
慧苑音義下に「畢洛叉樹は或いは畢利叉とも いひ、此に高顯といふ、謂く佛、下に於いて降誕す」とせるは
別に畢利叉樹(Prikka,Trigonella Corniculata,L.)あり、 阿輸迦樹に類似せるによりて此説起こりしなるべし。

龍谷大学編纂 『佛教大辞彙』第一巻